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B面トライアングル<20>

B面トライアングル<20>【快感と我慢と羞恥な変態の交差点】

乾いた空気に砂の匂いが混ざっている。道端にカサカサと転がる枯れ葉の匂いはこんなカンジだろうかと思いながら歩いた。そして彰人さんとこうやって恋人同士のように手をつないで明るい道を歩くのが初めてだったことに気付く。というよりも、人前で男の人と手をつないで歩くこと自体が初めてだ。今まで何度か手をつないだのは誰もいない真っ暗闇や、真夜中だった。

慣れない。恥ずかしい。私は彰人さんと手をつないでいる自分が、他人に見られて何かを思われることが恥ずかしいから、こんなに複雑な気分になるのだろう。開き直ってこうやって上を向いて歩くけれどやっぱり何も思わずにはいられない。彰人さんはどうみても子供っぽい中学生である私とこんなふうに歩くことに本当に何の抵抗もないのだろうか。

そんなことを思って彰人さんの方をチラリと見ると、腹立たしいほどの眩しい笑顔を向けられるからそれも恥ずかしくなって視線を逸らしてしまう。そんな時は妙に負けた気分になるので、また頑張って平気なふりをしたりと、とにかく私は1人で疲れすぎる。本当にいつか心から平気になる日が来るのだろうかと不安は募るばかりに思えた。

そして私はこれからどこへ連れて行かれるのかも問題だ。彰人さんに聞いても答えないところが怪しいけれど、答えてくれないものは仕方ない。おそらく私が驚くか嫌がるかするようなところであることは想像がつくから、どんなところへ連れて行かれてもなるべく取り乱さないように覚悟を決めておこうと思う。そんなことを密かに考えていた時だった。

道の向こうからこちら側に歩いてくる見覚えのある横幅の広い女が見えた。前に彰人さんたちのライブで私をボコボコと殴ったイノシシ豚だとすぐわかった。初めて行ったライブハウスで彰人さんにつきまとうなと言われたことを思い出す。イノシシ豚は高校の制服を着ていて、あの時一緒にいた友人かどうかはわからないけれど2人の女の子と一緒だった。

私は彰人さんとつないでいる手を離したいと思った。イノシシ豚がこのつながれた手を見たら一体なんと思うだろう。あの時、私はたしか彰人さんには興味はありませんというニュアンスなことを堂々と言った。それが必死な中学生の誰にでもわかる頭の悪い嘘だと理解され「やっぱりね、好きだったんじゃないか」とバカにされるのが嫌だと思った。そんなことを思われたのでは私がカッコ悪すぎる。

だから一瞬、彰人さんの手を振りほどこうと力を入れた。

でも彰人さんはその手に更なる力を加えて、私の手をそのまま留める。彰人さんは私に対してぜんぜん言うことを聞かないみたいなことを言うけれど、彰人さんだってぜんぜん私の言う事なんて聞いてくれたことがないじゃないかと、ムカつきながら溜息をつく。

イノシシ豚はもうすぐ気付く。
その時私は一体どんな顔をすればいいだろう。
下を向いて恥ずかしそうにうつむくしかないのだろうか。それも嫌だ。

結局好きでどうしようもなかったんでしょ?
追いかけまわしてつきまとっていたくせに、堂々と好きじゃないだなんて言っておいて、恥ずかしげもなくそうやって手をつなぐんだから、殴られて当然。殴っておいて良かった。

なんて、イノシシ豚に一瞬でも思われたら耐えられない。油汗が出るほど嫌な妄想をして、私はいてもたってもいられない気分になる。

それでも彰人さんは手を離してはくれない。彰人さんだって前からブタが歩いてくるのをきっとわかっているはずなのに。おそらくわざと離さない。

イライラする。イノシシ豚が近づいてくるのがたまらなく耐えられない気分で、頭の中の何かが壊れていくようだ。恥ずかしくて、カッコ悪すぎて、嫌すぎて、ムカつくし、ムカつくし、ムカつく。何かが耐えられないほどムカつく。

もういっそのこと最高に最悪に究極にオカシクなってしまえ。私がどんなに無様にすがりついて彰人さんを手に入れたと思われたとしても、結果として彰人さんが私と手をつなぐ関係にあるのならそれなりに勝ち誇れる。

そう思った瞬間、私は立ち止まって彰人さんにとんでもない言葉を投げかけていた。

「彰人さん、…キスして。」

彰人さんは怪しげな笑顔を向ける。つないでいた手を離し両手で私の頬のあたりを触りつつ、顔にかかっている髪の毛を耳に掛けながら、優しく

「ここで?」と聞いた。

私は真っすぐに彰人さんを見上げて真顔で断言した。

「そう。今、ここで。…激しいの頂戴。」

彰人さんはイヤミなくらいまぶしい笑顔で私を見つめ返してから、右手で私を激しく抱き寄せて、左手で私の頭を乱暴に掴み、ご馳走を見つけた餓鬼のように私の唇に吸いついた。私は目を閉じて彰人さんに身を任せるしかなかったけど、やっぱり彰人さんはイカレてると思った。このイカレ具合をイノシシ豚は知らないから幸せなのかもしれない。私も知らないで遠くから憧れていられたらキレイな乙女でいられたんだろう。

道を行く人が私たちの横を通り過ぎる気配がする。そして確実に私たちを見ているはずのイノシシ豚のことを考える。考えたら身体中の細胞が煮えたぎるくらいに面白い気持ちになった。イノシシ豚の顔が見たい。豚の顔を想像するとたまらなくなって彰人さんの背中にまわした腕に力が入って強く抱きしめてしまう。彰人さんはそれを感じ取ってか、激しいキスをやめない。食われてしまうのではないかと思うほどキスが激しくて、イノシシ豚の顔を見ることができないのがまた切なくて、たまらなくて、私は一体どうしてしまったんだろうと自分で思った。

道端のアホなカップルなんて意外と誰も興味を示さない。恥ずかしくないと言ったら嘘だけど、私と彰人さん以外の人間なんていないと思えばこんなの余裕だ。誰に何を見られたって死ぬわけじゃない。イノシシ豚にだけ何かが伝わればもうそれでいいし、ある意味これが殴られたことへの仕返しにもなる。だから見ろ。よく見ろ。彰人さんが好きでどうしようもなかったと思われてもいい。ただ、イノシシ豚の欲しいものは私のものだと、あんたがクソガキだと言った中学生のものなんだと見せつけられればそれでいい。そして死ぬほど悔しい思いをしろ。そう思ったら正直言って全身に快感が行き渡った。

どれくらいの時間、そうしていただろうか。かなり長い時間のように思えた。彰人さんがゆっくりと唇を離すと、私はそのまま彰人さんの胸に顔を埋めた。こんな道の真ん中で本気で気持ちよくトリップできる自分が普通でないような気がして不安になった。でも彰人さんに抱きしめられているとそれを否定されないようで安心する。彰人さんにピッタリとくっついたまま、辺りにイノシシ豚の姿を探したけれど、イノシシ豚はもういなかった。

「かずみ、気持ちいいくらい残酷だなぁ。
豚に見せてあげたんでショ?嬉しすぎてヤバイよ、オレ。」

そう言った彰人さんは私をグッと抱き寄せる。でもその腰のあたりのカタイモノを押し付けるように抱きしめるのはぜひヤメテクダサイと言いたい。遠くから見る人はこれを知らないから彰人さんがステキに見える。どんなにか変態なんだよと教えてあげたらイノシシ豚だって引くはずだ。教えないけど。

イノシシ豚のいなくなったこの空間で徐々に頭は冷静になってきた。豚がいないのならこんなところでいつまでも抱き合っていたくはない。

「もぉいい。離してっ。どこか行くんでしょ、彰人さん。」

そう言った私に彰人さんは、

「ホンット、かずみって心底オレのツボ。
その冷たい言い方と勝手な言い草、ちょっとないよなぁ。」

と、少し困った顔を向けた。毎回びっくりするほど勝手なことをしている彰人さんにだけはそんなことを言われたくない。色盲に「目くら」と言われているくらい、ノータリンに「バカ」と言われているくらい、ストレートに腹が立つ。

「何言ってんの!いつも勝手なのは彰人さんでしょ!
私なんていつも大変なめに合ってるのに!
もう、早く離してっ、豚いなくなったからもぉいいの!」

「ふふっ、今日もこれから大変なめに合うかもな、かずみ。
かずみの可愛いお願いで更に火がついた。もうすぐそこだ、行こう。」

だけど、私の異様なお願いを可愛いと言いきるのはきっと彰人さんだけだと思ったから、再びつながれた手をふりほどきもせずに黙ってついていった。「大変なめに合う」とはどういう意味だろうと考えながら。

それから5分もしないうちにイヤな予感がざわざわと込み上げてきた。それは、その場所になぜあるのかと前から通る度に思っていた建物が目に入ったからだ。その建物はここら辺には珍しく一つだけ背の高いビルで、濃い臙脂色の外観をしていた。そして車の入り口と思われる部分にはのれんのように造花の植物が垂れ下がっていて中が見えないようになっている。ビルの窓部分にはオシャレな鉄格子のようなものがついていてそこにも造花の植物が巻きついていた。

まさかとは思うけどイヤな予感がする。ここに入るつもりなら走って逃げようと思った時だった。

「逃げるのはナシ、ここ、入るから。」

言い方が真面目だった。彰人さんのその一言で私はもう諦めた。我ながら諦めることに慣れたと思う。車の入り口の隣には臙脂色の壁に覆われた入り口があって、その壁には「ホテルプラザ」と書いてある看板に「ご休憩」とか「ご宿泊」のご案内という文字が書かれていた。

意味もなくとてつもなく悪いことをしている気分になるし怖い。彰人さんが、なぜこんなところに入ろうとするのかがわからない。こういうところはオトナの男女がセックスをするために入るところだということは知っている。だけどなんで今私たちがここに入らなければいけないのかがわからない。だって、今までだって彰人さんの部屋でそういうことをしてきたワケだし、こんなところに入る意味なんてあるとは思えない。

どうして?なんで?何のために?がずっと頭の中で繰り返される私の手を引いて彰人さんは堂々と入り口から中へ入ってしまった。中へ入ると壁一面が自動販売機のようになっていて、部屋の写真がボタンになっていた。彰人さんがためらうことなくその中の電気の消えていないボタンを押すとその部屋のものと思われるカギがガコンと下のスペースに落ちてきた。誰にも人に会わずに部屋にたどり着ける作りになっていることに驚いた。

エレベーターに連れて行かれ、部屋の階数を押す彰人さんと目が合うと、急にさっきの「大変なめに合う」という彰人さんの言葉を思い出した。隠せないほど私の表情は不安を表してしまい、彰人さんに「大丈夫、ただ思いっきり愛したいだけ。」と言われた。

でも逆にその「思いっきり」っていうのがすごく怖いんですけど…と言いたかった。

部屋に到着し、ドアを開けて中へ入った瞬間、彰人さんはつないでいた手を離しすぐに私を強く抱きしめた。彰人さんに聞きたいことがあるけれど怖くて聞けない。でも彰人さんの今までの数々のおかしな行為を全部受け入れられたんだから今度もどうにかなるのだろうと、怖くてドキドキはしてしまうけれど死ぬほどではなかった。たぶん、一番最初に犯された時が一番怖くてどうしようもなかったから耐性がついたのかもしれない。あれほど怖い思いをしてしまうとそれ以上はなかなかないものなんだと思った。

入り口で私を抱きしめたまま彰人さんは呟くように言う。

「かずみ、どんなに叫んでも大丈夫だからね。」

素直にゾッとしたけど、とりあえず強がってみた。

「彰人さんはどうしていつもそんなに不気味なことばっか言うの?
叫んだりしないよ、別に、今さら何したって…。」

彰人さんはいやらしい目つきで私を見る。でもその目にはやっぱり魔力があるからすごく魅力的でエロくてドキドキしてしまう。彰人さんはそうやって私を魅了してからベットのある部屋の中へと誘導した。

部屋の中は思っていたほどいやらしいものではなくシンプルで落ちついたカンジだった。普通の空間と言える。ただ、ベットが見たことないくらいに大きいと思った。そのベットに私を座らせて、彰人さんはなぜか隣に座らずに小さなソファへ座った。2人きりの空間で彰人さんが私の服を脱がせないなんてどういうことだろうと考える。何かの罠だろうか。そんなことを思って彰人さんの方をじっと見ると、彰人さんは静かに話し始めた。

「かずみさっきオレに面白いコト聞いただろ?
…自分の手で出すのかって。いままで知らなかった?」

私は本当に知らなかったから、正直に答えた。

「うん、知らなかった。すごくびっくりした。」

「びっくりするんだ、カワイーなぁ。
オレに聞くから答えてあげる。…そして見せてあげる。」

どうして彰人さんの口からはいつもとんでもない言葉が出てくるのだろう。この一瞬の恐怖と戸惑いは恐ろしいのにクセになりそうだ。でもやっぱり怖い。

ケイちゃんには「見せろ」と言う事ができても、彰人さんに「見せてあげる」と言われると恐ろしさを感じずにはいられない。この差は一体何なんだろう。怪しすぎる彰人さんに私はまた言葉をなくす。

「かずみはそこで見ててよ。いつもどんなふうに出すのかちゃんと見せてあげるから。
ああ、あと頭の中で考えることも教えてやるよ。」

そう言った彰人さんの笑顔はまた正気には見えない。私はなんと表現していいのかわからない感情でいっぱいになって心臓はバクバクと暴れ出し始めた。そして彰人さんは私をじっとりと見ながら立ちあがってズボンのボタンを外す。その仕草を見ただけで、なぜか私が死ぬほど恥ずかしくなった。直視できなかった。思わず顔を背けてしまうと、彰人さんは、

「ダメだよ、かずみ。おまえが聞いたんだろ?
だから答えを教えてやるんだから、ちゃんと見ないと。」

これは厳しい。彰人さんがぜんぜん知らないものすごく変態な人のように思える。それはどんなふうなのか見たいと思ったけれど、見る方もこんなにおかしな気持ちになるなんて知らなかった。恥ずかしすぎる。

「も、もうわかったから、見なくていっ、いい。」

彰人さんの方を見ることができないから、ベットの端に目をやったまま必死にそう言った。ぜんぜん余裕がないと思われてもいいからこの展開からは脱出したい。

「ダメ。ほら、ちゃんと見な。
見れないなら見れるようにしてヒモで縛るよ?裸にして。」

大変なめに合うとはこのことか。本当だ、とんでもなく大変なめに合っていると思う。どうしよう。どうしてここまで彰人さんは暴走できるんだ。いつも思うけど彰人さんは怖すぎる。だけどヒモだけはイヤだ。もうこうなったら見るしか道は残されていない。

恐る恐る彰人さんの方を見ると、彰人さんは堂々とアレを出してそして自分の手でソレを掴み、上下に動かしていた。衝撃的すぎてずっと見ていることができない。やっぱり私が死ぬほど恥ずかしい。

「かずみ、ちゃんとこっち向いて。今度目を逸らしたら縛るからね。」

ああ、どうしよう。高度な拷問だ。精神的苦痛第何段だろう。彰人さんが自分の手でそんなことをしている姿は見たくない。ヤダ、どうしよう、どうすればいいんだろう。私はもう顔から火がでそうなくらい真っ赤になっていると思う。だってなぜか死にそうに恥ずかしいんだ。そんな赤い顔を晒しながら彰人さんのそういう行為をみるなんて無理だ。だけどヒモはありえない。

「ヤダ、見たくない、ヒモもヤダ。」

「こうやって1人で気持ちよくなる時は…頭の中で犯りたい女のことを考えるんだよ。オレが最初にかずみで抜いたのはね、かずみと初めて会った日。それから毎日おまえで抜いたよ。他の女とヤル時もかずみのことを考えた。
あははは、ビョーキかな、かずみが可愛くてどうしようもないんだ。オレの頭の中ではいつもかずみはスゴイことになってるよ…頭の中を見せてやりたい。でも頭の中は見せられないだろ?だからコレを見せてあげる。ほら、ちゃんと見なよ、全部見せてやるから。」

いつものことだけど彰人さんは人の話は聞かない。そして信じられないくらい嫌すぎる。この人はオカシイ。ビョーキで変態だ。どうして私にそんな姿を見せたいと思うんだ。その心理がぜんぜんわからない。さすがに嫌いになりそうだ。もう逃げだしてしまいたい。でもきっと逃げられない。見なければ縛るというのはきっと脅しじゃない。私はうっすらと目に涙をためて彰人さんを見ていることしかできない。そのうち彰人さんの息遣いが荒くなる。それも頭の中を掻き毟りたいほど恥ずかしくて嫌で死にそうだ。嫌悪感と恋心が測りにかけられてグラグラと揺れる。

「はぁ…はぁ…かずみっ…服脱げよ、裸が見たい、見せて?」

これが変質者じゃなくて、好きになった人のセリフだと思いたくない。変な笑いが込み上げてくるほど泣ける。こんなにカッコイイのになんでそんなにオカシイの。キレイな顔してはぁはぁ言いながら自分のモノを自分でどうにかしている私の好きになった人、彰人さん。私は頭のどの辺を切り替えたら普通にあなたに恋していられるのか聞きたいよ。

「はぁ…かずみ…早くっ、…オレがぶち込みたいトコロを見せな、はぁ…早くっ、はぁっ、はぁっ…早くしろ、」

彰人さんの目が怖い。ここで脱がなかったらヤバイと思わせるような目だ。これは絶対異常者の目だ。美しすぎる。

私は自分の表情がサーッとなくなっていくのを感じながら、着ていた服を脱ぎ始めた。おそらく能面のような表情になっていることだろう。そして彰人さんは更に激しく右手を動かし、息をどんどんと荒立てていった。何度も見られている裸でも、こういうシチュエーションで見られたことがないからいつもよりも何倍も恥ずかしい。それでも目に涙を溜めた能面のまま裸になり、私を食い入る様に見る彰人さんの恥ずかしすぎる姿を目を逸らさずに見ていた。

「足…開いて、膝を立てて…見えるように…そう……っいい子だね…。」

世の中のどこにこんなシーンが存在するのか。それはここで、私の目の前で、そして好きになった人が主役。不快感を伴うドキドキの中、寒気がするほど気持ち悪いとも思うのに、彰人さんのその快感の表情から今度は目が離せなくなる。なんでそんなに恥ずかしくて頭がおかしくなりそうな姿が魅力的でキレイで芸術的なんだろうとどこかで思ってしまう。こんな行為をしている彰人さんが嫌いでも心は囚われ、嫌なのに見とれる。

「あっ…はぁっ…かずみが…見てるなんて…最高に…クルよっ…。」

彰人さんは自分のアレを握りしめて気持ちよさそうに喘ぐ。
私は見ているのが切なくて辛い。そして恥ずかしい。

歪み過ぎているこんな空間をきっと普通のカップルは作らない。ケイちゃんが言ったように「無理。」と言うのが普通で、彰人さんは100%異常。私は彰人さんと一緒にいたら絶対に正しい恋愛感情を育めないと思う。でも、それでも、これでも、こんなめにあっても多分…

「っかずみ、そのままそこに寝て。出すからっ、早クッ…っ…ぅっ、」

彰人さんは私に近づいてきて目の前で激しくアレを上下に揺さぶる様子を突き付けた後、裸でベットに寝た状態の私のお腹の上に白い液体を飛ばした。まるで水鉄砲のようだと思ったけれど、その温度は少しも冷たくはなくて不気味で不思議だった。彰人さんの右手の動きはだんだんと緩やかになり、白い液体を絞り出すようにして全てを私のお腹の上に出す。白い液体が出ている個所が嫌でも目に入る。見たことのない生物のような色をしたその物体の先がグロテスクでこれのどこに愛しさを見いだせばいいのかわからないと思った。こんなに至近距離ではっきりと見てしまったのはこれが初めてだった。

私は身体に指一本でも触れられたわけじゃないのに、精神が汚されたみたいに疲れた。あまりの出来事に頭が整理できない。横になったことで目に溜まっていた涙は目の端から流れ落ちていた。でもそれはほんの一滴で、それ以上涙があふれてくるということはなかった。彰人さんはそんな私を見下ろしている。私の身体全体を愛しそうに見つめた後、ゆっくりとお腹の上の白い液体に手を伸ばした。それからその液体を私の身体に塗りこめるように胸の辺りまで広げ、恍惚とした表情を見せつつ言った。

「かずみに見られてると思うと気持ちよすぎて早かった。
いつもはもっと時間かかるよ?」

今私がそんなことを聞きたいと思うかこの野郎、と叫んでやろうかと思った。でも白い液体のなんともいえない生臭さにあてられてそんな気力も湧かない。初めて経験する匂いだ。気持ち悪いか気持ち悪くないかの二択だったら確実に気持ち悪い。一刻も早く洗い流したいと思いながら無言でいる私に彰人さんは更なる衝撃の言葉を突き付けた。

「じゃ、次はかずみの番。
大丈夫、心配しなくても手伝ってあげるからね。」

横たわっているのにも関わらずクラクラした。どれほどの嫌なことが待ち受けているのだろうと考えるとまたしても笑いが込み上げてくる。

「ふふっ…彰人さん、私にはそんなことはできないよ?
だってしたことないし、それにね、知ったのは昨日、昨日なの。
自分でなんてできるわけがないし、そんなことするくらいなら死んだ方がマシ!
私はもうぜんぜん子供でいいっ、そういう高度なこと言うな。だって中学生だもん。
男の子の身体のことは知らないけど、女の子はたまるもんなんてないんだからそんなことする必要なんてないんだから。これ以上変なことするとホントに嫌いになるっ!黙って言う事聞く人と変態行為してろ!さっきの豚ならなんでもやらしてくれんじゃないの!私はもうヤダっ!」

とにかく嫌すぎてたまらなくて、これ以上は絶対に彰人さんの好きにさせるものかと思った。でも彰人さんは怯まない。

「あのさぁ、かずみわかってる?
いつもオレをたまらなくさせてオカシクさせるのはおまえだよ?
オレだってどうにかしてもらいてーよ。
豚に見せつけて喜んでるおまえの酷さが…平気でオレに自分で出すのかと聞くその神経も…おまえの言動も行動もその目つきもその表情も…、
…いつもいつも面白すぎてたまんねーんだよっ!」

そう言った彰人さんはベットの上に横たわる私を押さえつけて唇を塞いだ。さっきの激しい路上のキスよりももっと激しく、まるで戦いを挑まれているかのように絡ませた舌を引き抜かれそうだ。こんなに激しくて苦しいのに頭の芯が震えるように何かを求める。求める何ががわからないまま少し余裕が出来ると彰人さんの言葉について考えた。

今キレていいとしたら絶対私のはずなのに、なんで彰人さんがそんなキレ気味なんだと思うと腹立たしい。それに面白すぎてたまらないなんて言われてもどうにもできない。それなら私だってこんなに嫌なめにばかり合っているのに彰人さんの見た目がキレイすぎてステキすぎてたまらなくさせられてるんだ。お互い様じゃないか。そして「面白い」と「キレイ」っていうお互いの当てはまる言葉が女子としてのプライドの何かに引っかかるようでなんだかそれも腹立たしい。いろいろ腹立たしくてイライラが募る。私の方が彰人さんを縛りつけてとてつもなく嫌がることでもしたい気分だと思った。

しかしそれよりも今はこの強引な流れはなんとかしないといけない。それに乾いたとはいえ白い液体が塗りこまれたこの身体を洗わないといろいろ耐えられない。

唇をしつこく吸われつつも彰人さんの身体を離そうと押さえつけられている個所を外そうと身体を捻り、手で抵抗してみた。だけどこれはダメなパターンだ。ここまで荒々しいと初めて彰人さんにヤラれた時のことを思い出す。また受け入れるしかなくなるのだろうか。だったらせめてシャワーをしてからにしてほしいと思った。キスが終わらないからそのまま話そうと試みる。

「あっ…んんっ、あ、あきっ…シャワー…おねが…いっ…ぅんんっ、」

私がどうにかそう言うと、彰人さんは唇を離して、

「いいよ。一緒に行こうか。」と荒い息でささやいた。

私は「…1人がいい。」と、無駄だとは思ったけれど一応言ってみる。

「じゃあシャワーはなし、このまま。」

彰人さんからは想像通りの言葉が返ってきたから、もう諦めのついていた私は

「一緒に入る。」と言うしかなかった。

そして2人で浴室へ向かった。

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| 【恋愛】B面トライアングル | 19:10 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

おもしれぇ!
・・・凄い。はい、本当にエロいです。
が、しかし汚くない。そこが凄いです。
汚いモノしか描けない僕は、今、この「エッチ」に感激すら覚えてます。

中学生にセンズリを見せる青年。
普通に考えれば凄まじい犯罪行為です。
しかし、かずみちゃんが可愛いせいか、ジメッと暗くありません。
センズリを見た後の「精神が汚されたみたいに疲れた」の一言は絶妙ですね。

そして彰人の「じゃ、次はかずみの番」が、これまたイイ。
当然かのようにそう言う彰人。結局は嫌がるかずみも流されてしまうのでしょうが、ここがこの小説の楽しい所ですよね。

次回も激しく期待しております!!

| 愚人 | 2011/08/21 22:08 | URI | >> EDIT

>愚人様

◆コメントありがとうございます◆
エロ、とは言ってもちょっと別枠エロですよねw
これを「エッチ」と言って頂けて幸いです。
中学生、好きな人のセンズリ見たらそれはそれはショックですよ、高度な変態に捕まったかわいそうな乙女です。

キレイに変態を描く…これをテーマに(本当か?!)書いていこうと思うのですが、でも生半可な可愛い変態でなく本気モードの変態を描く、それが課題です。

愚人さんの「汚さ」には「とことん」がついてますから、素晴らしいです。それは私も一度は挑戦したい分野でもあります。
愚人さんのあの流れるような面白さと汚さで滑稽感を醸し出す技、尊敬してます!

次回、「かずみの番」、カンノウ寄り内容でかわいそうなめに?!といったカンジです~w

| 玉蟲 | 2011/08/22 01:39 | URI |















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