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B面トライアングル<12>

B面トライアングル<12>【神聖な地獄】

真夜中の12時に悪魔に連れられて私は一体どこへ行くのだろう。彰人さんが異人さんで私は赤い靴を履いた女の子のようだ。でも私が履いていたのは青い靴だったし、靴は暗闇に溶け込んで色はよく見えない。でもいつか青い靴を履いていると変態に連れられてどこかに連れて行かれちゃう歌を作りたいと思った。私の頭の中はいつもどこかが真面目じゃない思う。

そんなことを考えながら静かすぎる道を歩く。自然につながれてしまった手。彰人さんと手をつなぐのは二回目だ。初めて手をつないだ時のような焦りやドキドキはない。あれは一体何だったのかと思うほど今は落ち着いている。どんな事が起きようとも、もう行くところまでは行っちゃてると思うとなんとも言えない気分だ。緊張はするけれど、それよりもこの状況でなぜ幸せな恋愛でないのか不思議でどうしようもなくなる。恋愛ってなんだろう。やっぱりよくわからない。

何の疑いもなくこんなふうに好きな人と手をつないで歩きたかった。手をつなぐだけで楽しくなって自然と笑顔がこぼれるみたいなのがよかった。現実は厳しいし複雑だ。

テンションをどこら辺に持っていっていいのかわからないまま黙って歩いていた。連れられて行くのは仕方ないとして、やっぱり行き先くらいは聞いておこうと思い、つないだ手を少し揺らしつつ彰人さんに話しかける。

「彰人さん、どこ行くの?」と質問すると、

「オレの部屋。」と即答で返ってきた。

こんな夜中に彰人さんの部屋に連れて行かれる。どう考えても危険だ。そこは密室だし横にだってなれるはず。昨日のアレで大ダメージを受けている私の身体の状況を言っておかないととんでもない目に合うかもしれない。魅了されてしまう顔が暗闇で見えないからけっこう強気な発言ができる気がして「できない」ことをきっぱりと言ってみた。

「言っとくけどできないからね。」

「何を?」

「だから、変なこと。」

「変なことって何?」

彰人さんは私をイラっとさせる才能に長けている。恥ずかしがっている私を見て彰人さんが喜ぶのであれば、私は絶対に恥ずかしがってなどやるもんかと思った。

「だから、股が痛いからソレ系行為は無理だって言ってんの!」

「ソレ系ね。ふふ、わかってる、しないよ今日は。」

じゃあ一体何をするっていうんだろう。こんな夜中に彰人さんの部屋でお話?今さらお話したって彰人さんが変なのはもうわかってるんだからどうにもならないと思う。でも普通の恋人同士みたいな時間があったら私の気持ちは彰人さんに完全に傾いてしまうなんてこともあるんだろうか。こうやってただ一緒にいる時間を増やすことで何か変化があるものなのだろうか。

不機嫌な私に対して妙に機嫌のよさそうな彰人さんの話し方が気になると言えば気になる。何を考えているんだろう。

サクサクと歩いて20分くらいで彰人さんの家に着いた。こんな夜中だというのに大きな玄関には普通に明かりが灯っている。しかもその玄関に堂々と案内され、少しびっくりしてしまった。彰人さんはどうしていいのかわからなそうにしている私の肩に手を回し、「大丈夫、二階だよ。行こう。」と笑顔を向けた。彰人さんに連れられて二階へ上がる階段の前まで行くと、下へ続く階段もあった。地下に続く階段のある家なんて初めて見た。地下室のある家に住んでいるなんて悪魔らしいと子供みたいなことを思ってしまう自分が少し可笑しかった。

曲がりくねった階段を登ってたどり着いた彰人さんの部屋は、グレーで統一されたわりと嫌いではない空間だった。

そして「ここに座って。」と彰人さんが言う。

座れと言われたのはベットの上だった。彰人さんは「今日はしない」と言ったけれど、それは信用してもいい言葉だったかどうか考えた。疑いもしなかった自分が愚かだったのではないかと不安な表情を作ってしまう。彰人さんはそんな私を見て、

「大丈夫、痛いことはしないよ。」

と、にこやかに言った。でも彰人さんの笑顔には恐ろしい裏が隠されている時が多い。安心ができない。落ち着かない。怖い。もうここにイラつきが加われば最高に最悪だと思う。だから私は笑顔にはなれない。

「座りなよ。」

彰人さんは、強張った表情で立ち尽くす私の肩に優しく手を置いてベットまで導く。私はふらふらとした足取りで進むしかなかった。

「かずみ、なんで今日スカートじゃないの?」

ベットに女の子を座らせて聞く言葉として適切か適切じゃないか、私には経験がないのでよく分からないけど素直に答える気にはなれないし、その質問に対しての答えなんてはっきり言ってない。ズボンが履きたかったからに決まってるじゃないか。

「なんでそんなこと聞くの?」

「足が撫でられない。」

なんだかもうクラっとした。
そしてそう言いながら彰人さんは私の横にぴったりくっついて座った。

足が撫でたかった?
足を?なんで?
ぐるぐると彰人さんの言葉が頭の中を泳ぐ。

私は彰人さんの言葉の意味がよくわからない。でもなんだか恐ろしくて足をどうしたいのかが聞けない。イイ予感はしない。どちらかと言うとイヤな予感がするから黙り込んでしまう。

「まぁ、いいけど。ズボン脱いでもらうから。」

クラっとしてぐるぐるな私の頭は今度はグラグラのイライラに変わる。

「…しないって言ったじゃん!」

ズボンを脱ぐということは下着になるということだ。そうなると絶対行きつくところは一つだと思う。やっぱりしないっていうのは嘘で、信用した私がバカだったということか。

「しないよ?」

「じゃぁなんでっ!」

本当は不安でどうしようもないけれど、それを隠すために不機嫌な顔をわざと作った。彰人さんはそんな私の目をしっかり見ている。またこの目に負けるのかと思うと情けない。だけど痛いのがイヤすぎる。今の私にとってセックスは拷問だ。麻酔とかしてくれればいいと一瞬思ったけど、彰人さんの衝撃発言よりそんなことは一瞬でかき消された。

「今日はしないけど、撫でたり舐めたりするんだ。」

ドクンと心臓が脈打つ。ああ、またとんでもないことを彰人さんが言っている。びっくりして心拍数が上がってしまった。何を言っているんだろう。どうしよう。どういう意味ですかと聞いた方がいいだろうか。勇気を振り絞ってどこを撫でたくてどこを舐めたいのか聞こう。この状態で「はいわかりました」とは死んでも言えない。

「ど、ど…こを?」

「今日はどこがいいかな。どこでもいいんだ。好きな娘の表面積って気になるだろ普通。オレはオレが触れていない場所は作らない主義だから。何て言うか、オレが味を確かめてない場所の存在を許さないって言うの?んー、まぁ、全部触るし、全部舐めるからよろしくってコト。」

私は頭が真っ白に近づいた。彰人さんがオカシイとか変だとか変態だとかは思ったけど、今さらながらとんでもなくヤバイ人に捕まったような気がする。表面積?味?そんなのが「恋愛」にオプションとしてついてくるなんて聞いたことない。漫画の中の恋人たちにこんな場面はない。私は神経がおかしくなり始めているのか、笑いが込み上げてきた。

「ふふっ、ふふふふ、彰人さん、何言ってんの、それイヤすぎる。」

「きっと気持ちいいよ?ううん、気持ちよくしてやる。」

「………。」

もうどうしたらいいのかわからない。暴れてもいいかな。脳みそを大きな木槌でグシャっと潰されたみたいな不快感がつきまとって離れない。目の前の綺麗な変態と一緒にいたら私はいつかオカシクなるような気がする。普通の神経ではやっていられないことは確かだ。

「オレは足がいいと思ってたけど、かずみは可愛いからどこでもいい。ホラ、この手も、あははは、赤ちゃんみたいだね。白くて透き通っててキレイで…美味しそうだ。」

彰人さんは私の手の甲にキスをしながらそう言った。そしてそれから容赦なくベロリと舐めた。舐められた手の甲から一瞬でトリハダが伝染していくように大きくゾワっと広がった。

人は食べ物じゃないものをこんなに大胆に舐められるとは知らなかった。私にはできない。無理矢理やられたときよりも泣きたい気分になるのはなぜだろう。もう何も言葉が発せられない。彰人さんに捕まっている手に力が入ってしまう。

「そんなに硬くなるなよ。今日はまだ全部食べたりしないから。」

彰人さんはそう言いながら放心状態の私の服をゆっくり脱がせ始めた。心のどこかでは暴れてやろうかとも思っているのに、まるで人形のように動けない。また彰人さんの好き勝手にされるしかないのかと思うと恐ろしいのか納得いかないのか気持ち悪いのか、自分が何を思っているのかわからなくなる。それがまた悔しい。今涙を流したとしたら多分悔し涙かもしれない。そしてこの部屋は電気がついているのでバカみたいに明るいことに脱がされながら気づいてふと我に帰る。

「…明るくてヤダし、脱がされんのもヤダし、撫でられんのも、舐められるのも、食べられんのもヤダ。」

「かずみはヤダばっかりだな。言っとくけど舐められるのなんてわりと普通だよ。みんな普通にやってることだって知らなかった?」

「ホントに?」

「ホントだよ?愛を確かめるんだから。
愛がなきゃできないだろ?こんな風に。」

彰人さんはそう言って私の足を掴んで今度は足の甲にキスをした。そしてゆっくりと舌を足の親指と人差し指の間に差し入れるように滑らせていく。気が遠くなりそうなくらいカンベンしてほしいと思った。だって足ですよ、足なんですよ、いいんですかこんなのは!耐えられない!

「ヤダ!汚い、普通じゃない!」

彰人さんに掴まれた足を引き抜こうと力を入れたけどびくともしない。私の目線よりも随分と下の方にある彰人さんの目線はこちらを見ると完全な上目遣いになってまた一段とステキな絵だけれど、もう地球外生物のようにも思える。カッコイイのになんで足の指を美味しそうに舐める。信じられないと言うより信じたくない。

「可愛い足。夕方からずっとかずみの味を考えちゃって大変だったよ。」

やっぱり彰人さんはおかしい。もうどうしよう。それからこうやって足を大胆に舐められていることがたまらなくイヤでゾワゾワしてるのか、それともその感覚そのものにゾワゾワしてしまうのかわからないけど、何も感じずにはいられない。這う舌が蠢く度に膝の裏側からお尻と背中を通ってビクビクと何かが通るようだ。汚くてヤダとか思う前にこの変な感覚をどうにか修正しないと何かが狂ってしまいそうだ。ゾワゾワの連続に耐えられなくなって仰け反りつつ思わず声をあげてしまう。

「っはぁぅっっ…」

「ホラね、かずみ。気持ちいいだろ?
でも大きな声出すと陽一起きるよ?隣の部屋だから。」

隣の部屋にに藤崎がいる。彰人さんが私の足を舐めている。私は勝手に身体がゾワゾワする。ありえない。ありえないこの現実をどうやって受け入れればいいんだ。気が狂いそうだ。いろんな意味でいろんなことに耐えるのが辛い。もう腹が立つ。悔しくて苦しすぎる。

「もう、ヤ…ダ。」

痛くないのに精神的に来る。快感と不快さが入り乱れて複雑怪奇な心理状態になった。悔しいけど泣ける。涙目になる。

「かずみ無理矢理ヤラれても泣かないのに、舐められると泣くの?変わってるなぁ。でも泣き顔もいいな。そそるね。」

今度はカーッと頭に血が上る。彰人さんの前で泣いてもぜんぜん意味がないのはなんとなく知っていたけれど、こうなるともう泣くのが腹立たしい。全部全部ムカつく。もう好きにすればいい。私が何も思わなければいいだけのハナシだ。あんまり腹立たしくて彰人さんが憎らしくなった。彰人さんを上から睨みつつ

「今初めて水虫になりたいって思ったよっ!
それから電気くらい消せ!」

と言ったら彰人さんは

「それは更に魅力的だ。
それから電気は消さない。」と言って微笑んだ。

変態には勝てない。勝てるわけがない、だって変態なんだもん。

私は諦めてベットに身体を投げ出すように横になった。もう好きなだけ撫でたり舐めたりすればいいんだ。私は一人でなんとも思わない精神修行にでも出かけてやるという気分だった。そしてそれはものすごく未熟者の考えだとすぐに思い知ったけれど。

彰人さんは私の両足をくまなく舐めまわし、それからふくらはぎも太ももも、本当に隙間なく美味しそうに堪能していた。そして背中やお腹、肩、腕、首とにかく私はもう身体の感覚や神経が全部狂わされるほど撫でられ、舐められ、本当の意味で汚されるってコレじゃないかと思った。わきの下をずっしりと舐められた瞬間は死ねると思った。そして漏れそうな声を必死に耐える自分がものすごくかわいそうに思えてならなかった。だけど下着は履いたままだったし痛すぎるその部分には一切触れられなかった。どうやら「しない」と言ったのは本当のようだった。それでもどんなにそこが痛くてもこれだけおかしなことをしてくれては下着が汚れる現象が起きているんだろうと自分でわかっている。そのことを突っ込まれたら「だからなんだ!」と言ってやろうと思っていた。

まるで何かの儀式のような神聖さと、地獄のような不気味さが混在している中、静かにその行為は行われていた。

結局下着のことには触れられなかったけれど、2時間以上舐めまわされたあげく、赤い印をたくさんつけられた。彰人さんは「これで慶太の前では脱げないね」とキラキラ笑顔で幸せそうに笑っていた。私の身体はまるでヤバイ病気のように赤い斑点だらけで、それがキレイじゃない現実を象徴しているようでイヤだった。

朝を迎える前にまた彰人さんに送ってもらって家に帰ったけれど、こんな変な時間に家族にバレずにシャワーを浴びることもできないので、そのまま眠りにつかなければならないのが死ぬほど辛かった。もう完全に汚れ切ったと思ったら、明日は演技でもなんでもなく根暗人間を自で行けるような気がした。

彰人さんは普通だと言っていたけれど本当にこれは普通なのだろうか。誰にも聞けないからどうしようもないけど、こんなふうに彰人さんの言う事を聞いていたらケイちゃんにバレるバレないの問題よりももっともっと大変なことになると思う。思うのになんで彰人さんに逆らわなかったのかわからない。帰り道にまた彰人さんと手をつないで歩ける自分の神経も信じられない。そして、彰人さんが別れ際に言った恐ろしい言葉が耳から離れなくて、睡眠時間が少なくて夢など見ている場合の身体でもないくせに悪夢を見てしまった。

彰人さんの言った言葉は「お風呂には入らないでもらいたかった。」という想像を絶する言葉で、見た夢は、身体中をウジ虫のような形状を持つ真っ黒な蟲が私の全身を這い蹲って穴という穴から侵入してくるという、過去最高に気持ち悪いものだった。

私は彰人さんを好きだと思ったのかもしれないけれど、これから存分に嫌いになりたいと今、心から思っている。でも思っていることが実行できるかどうかが問題だ。ぜんぜん思い通りにならないのは彰人さんじゃなく私自身の気持ちだと思う。自分の言う事が聞けない自分をどうすればいいのかが今後の課題になりそうだった。

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| 【恋愛】B面トライアングル | 00:00 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

楽しく読ませて頂きました。
妙にリアルな所が、Hというより怖いです。
下着の汚を指摘されたら「だからなんだ!」と言ってやろうとしているかずみちゃんがいじらしいです(笑)

彰人さん気持ち悪いです。
でも、その気持ち悪さがゾクゾクと楽しく思えるのは、やはり僕が精神がおかしいからでしょうか・・・
精神的に楽しめます。

さすがに、いちじくとマッパの女を無修正で描いた危険な女性の小説はおもしろいです。
おもしろかったのでもう一度読み直します。

| 愚人 | 2011/07/10 20:25 | URI |

>愚人様

◆コメントありがとうございます◆
楽しんで頂けて光栄です。

いちじくはホントヤバイですよね。あのビジュアルがあんなにヤバイのに「カ○チョウ」にまでいちじくという名を付けるなんて酷過ぎるし面白すぎると思ってしまいます。
そして人気のフルーツタルトのお店で、大人気のいちじくのタルトを美味しそうに食べるいちごミルクのような女の子を観察するのがこれまた最高に楽しいです。(←ヘンタイ
もちろん私もいちじくのタルトを食べながら。

かずみは果物に例えたらきっとザクロのような女の子です。「だからなんだ!」と強がってはみてもなんにも知らない年頃ですから、彰人さんが相当な悪者ですよね。それでも愛の形は歪ながらも作り上げられていくのか、それとも誰かに助けてもらえるのか…アングラな青春ストーリー、まだまだ続いてしまうのですw

| 玉蟲 | 2011/07/10 22:51 | URI |















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