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B面トライアングル<11>

B面トライアングル<11>【悪魔の襲撃】

…股が痛い。

私だってこんなガニ股で歩きたくなんてない。そうは思ってもガニ股でよろよろと歩く自分が情けなさすぎる。

昨日、信じられないことに彰人さんに無理やりヤラれた。今でも信じられないけれど、それが現実だったと股の痛みが物語っている。股に痛みを語られる現実は過酷だ。ケイちゃんの時は初体験と言ってもただ入っただけで動いていないのだから、次の日にこんな痛みはなかった。でも彰人さんにはあれだけ好き勝手に入れたり出したりされたんだからこうなって当然だ。思い返せば返すほど腹立たしい。

結局、彰人さんは何が目的であんなことをしたのかわからないままだ。聞いてもまともに答えない。私を好きだと言うけれど、その意味がわからいなし、普通好きな人にあんなことはしない。だからそう簡単には信じられない。

それにしても、彰人さん…。

あの人は一体何のつもりなんだろう。普通ヤルか?中学生に…。彰人さんは絶対、どこか壊れている。そしてきっとホンモノの変態の人だ。

モテる彰人さんが、なぜ私を好きになる?どうして?変態だから?

だいたい変態の度合いや領域っていうのが未知だから、どこまでが本気で言っている言葉なのかわからない。相思相愛、両想いを成立させるには私には高度すぎる。彰人さんの言葉を鵜呑みにしてどんどんハマっていったら私はもう立ち直れないくらいにボロボロになること間違いなしだと、野生のカン、いや、女のカン…が危険を察知している。

それなのに、彰人さんを目の前にすると胸がトキメク私は一体どういうことなのだろう。普通あんなことされたら、間違いなく大っキライとかになって、顔も見たくなくなるはずではないのだろうか。

昨日はあまりのショックに服を着たとたんに逃げ出すように帰ってきたけど、これから一体どうなっていくのだろうと考えると不安だ。不安すぎて恐ろしい。

ケイちゃんにバレたらどうなるんだろう…とか、彰人さんと次に会ったとき、どうすればいいんだろう…とか、先のことがぜんぜん想像できないのに、股だけは痛いから、考えたくもないのに考えてしまう。

彰人さんのことだから普通に「何のこと?」としれっとした顔で言うのかもしれない。遊び人と呼ばれる男の人には、一度ヤっちゃうともうどうでもよくなるタイプというのが存在するという情報くらい私だって知っている。でもそれはそれで、傷ついてやるもんかと言ったところで実際は傷つく。そんな目に合うバカな女にだけはなりたくなかったと落ち込むのだろう。

怖い。いろいろ考えることすべてが虚しい結末に繋がるようで落ち着かない。それに、同じようなことをぐるぐると考えるこの迷宮のような思考にはいいかげん飽きてきた。こんな苦しい思いをしながらむずむずと日々を過ごすのは耐えられない。彰人さんがこれ以上私にかまわないでいてくれるなら、一生誰にも言わないで、ケイちゃんと楽しく付き合っていけるのだろうか。

でも、ケイちゃんに言われてしまったら…?

急に不安が襲ってくる。いてもたってもいられなくなって、私はケイちゃんの部屋へと走った。股の痛みを抱えながら走る行為は更に不安を増大させるような効果がある。でもケイちゃんの側にいれば、少しは不安が取り除けるような気がして、じっとしてはいられなかった。

「ケイちゃん!」

ケイちゃんは、ベットに横になって本を読んでいた。さほど驚いた様子でもなく、私がここへ来るのが分かっていたかのように微笑む。

「どした?そんな必死な顔して。何かあったの?」

何かあったの?…その言葉が胸にグサリと刺さって、涙が出そうになってしまった。何かあったかと聞かれて、何も無いと言わなければいけないことがすごく心苦しい。

「何も…ない…。」

ここにいれば安心、きっと安心。ケイちゃんが目の前にいれば、ケイちゃんは彰人さんから何も聞くことができない。だからずっとここにいたい。ずっとここにいて、誰からも何も聞かないでいてほしいと、無理なことを願った。

「どうしたの、かずちゃん、なんか様子変?」

「ううん、なんでもないよ、ホント。」

ケイちゃんは少し不思議そうな顔をして、私の顔を覗き込んでから、はにかむような笑顔を作ると、ちょっと照れくさそうに言う。

「かずちゃん、こっち来て。」

私はケイちゃんの横たわっているベットにゆっくりと近づいて腰掛けた。ケイちゃんは優しく包むように後ろから私を抱きしめて、ギュッと力を入れる。

心地良いってこういう抱きしめられ加減かな…と、思わずもたれかかってしまうほどその腕が気持ちよかった。私はこういうのを求めているはずだ。絶対これが「快感」に繋がる入り口に違いないという事だけはわかる。

しばらくもたれかかって小さな幸せに浸りかかったけれど、玄関の扉が開いて閉まる音がする。それから階段を上ってくる足音も。どうやら吉貴くんが帰ってきたようだ。ケイちゃんもその音に気付いたようで、私たちは顔を見合わせて少し照れくさそうに笑いながら、密着していた身体を離した。その直後、話声がすることに気づいた。話し声ということは複数。吉貴くんは一人ではない。誰かと一緒だ。胸騒ぎがする。もしかして彰人さんかもしれないと思ったら急に心拍数が上がってきた。

ケイちゃんの部屋にカギはないし、吉貴くんはいつも帰ってくると自分の部屋に入る前にこの部屋をのぞく。もう時間的猶予はない。足音と話し声はすぐそこまで迫っていた。

カチャリ

「よぉー、かずみ、靴あったから分かったよ。
おまえらラブいな、いつも一緒で。
オレも彼女ほしぃなぁー。
慶太に先越されるとは思わんかったよ、ハハハハハ。」

吉貴くんは親戚のおじさんのように気さくな笑顔でドアから2、3歩入り、無意味なポーズをとりつつ言った。

いつも陽気な吉貴くんはお兄さんみたいで大好きだ。でも今の吉貴くんは私にとって、悪魔召喚の技を持つものすごい攻撃力の敵に見える。悪魔を連れてやって来てそんな鬼のようなことを言うなんて。

吉貴くんの後ろに、いる。悪魔の気配。

やっぱり彰人さんだ。チラッと見えた髪だけでわかる。そんな自分が悔しいけれどそんなことを思っている場合じゃない。

今ここで顔を会わせたくない!

私は目線を部屋の入り口付近から逸らした。少しあからさますぎただろうかと思ったけれど、普通にしてはいられない。心拍数は更に上がり嫌な汗がじわじわと全身からにじみ出てくるのを感じた。

「よ、慶太&かずみ。
もしかして、2人っきりでやらしいことしてた?」

彰人さんは、私が即死してしまいそうなセリフをサラッと言いながら、さも友人の弟に気軽にあいさつでもするように、ヒョコッと顔を出す。

爆弾をくらった気分だった。死んでしまうと思った。異様な冷や汗と早くなり続ける動機。今口を開いてもまともなことは言えないということだけはわかる。彰人さんはなぜ平気でそんなことが言えるのか。それは多分悪魔だからだ。私はには理解できない脳みそを持っているとしか考えられない。今私にできることは、ケイちゃんに私の様子がおかしいと気づかれないように祈りつつ、聞こえてしまうのではないかと思うほどの脈打ち方をする心臓の音を、少しでも抑えるように努めることだけだと思った。

それなのにケイちゃんが心臓に悪い発言をする。

「まだしてないよ、これからするとこヤラシーことは。
ね、かずちゃん。」

ケイちゃんは彰人さんに私との関係を主張するかのように堂々と言ってのけた。いやに彰人さんに挑戦的でびっくりした。私は返事もできない。この間まで彰人さんにかまわれてギャーギャー言っていたケイちゃんは一体どこに行ったんだろう。とにかく心穏やかではいられない。肉体関係者同士の会話はぜんぜん笑えない。

「へぇ…、不良だなぁ、慶太。
でも、嫌がる女の子にムリヤリしちゃダメだよ?ね、かずみ。」

またスゴイことを言う。びっくりだ。おまえがゆーか!ソレを!と突っ込みたくなった。
そしてあろうことかけっこう笑えると思ってしまった。笑うのだけは許されないだろうと思いつつも可笑しいなんて思う私もどうかしてる。

彰人さんはケイちゃんをかまうかのように見せかけているけど、私を見ている。私は彰人さんと目を合わせられないけれど、彰人さんの視線を感じる。そして嫌な汗の量は更に倍くらいにはなった。

早く、一刻も早くどこかに行ってくれと願うことしか出来ずに冷や汗&脂汗の生産に努めるかわいそうな自分自身も、もう可笑しいと思うしかなくて、究極の極限状態になるとすごいことに笑えるんだという発見をした。

そんな状態の私をよそに、彰人さんとケイちゃんの鬼のような言葉のバトルが続く。

「つきあってんだから嫌がるわけないよ、彰人さん。
この部屋カギないから、突然開けるのはやめてね。」

「かずみはヤラシーことしたそうには見えないけどなぁ。
子供は子供らしくゲームでもして遊んでるのがいいと思うけどね。」

「もちろんゲームもするけど、それだけじゃない年頃でしょ?
これから大人になるお勉強をしていくんだよ。二人で。」

「青春だなぁ、慶太。でもお勉強なら好きな女じゃない方がいいと思うよ?お勉強に使われたんじゃオレのかずみがかわいそう…。」

「…彰人さんのじゃないし…
なんで彰人さん、そんなにかずちゃんにかまうの!」

「なんでって、それは…………




うわぁあああああ………ヤメテ下さい!!
この空気、すごい重く感じるのは私だけか!助けて、誰か!
心の中は嵐が吹き荒れるようだったけど、恐ろしすぎてなにも言えない。

この変な空気には気づいてないと思うけれど、吉貴くんがバトルに割って入る。

「おいおい彰人、そんなにかまうなよ、
慶太とかずみなんてまだまだ先だろそんなこと。
可愛い恋愛じゃますんなって。かずみまた固まってるぞ。」

ナイス吉貴くん、あなたはやっぱり救世主!そしてそのまま強引に彰人さんを連れて行ってくれたらもう「吉貴さま」って呼んであげてもいいと思った。

その時突然階段の下から、おばさんの声がした。妙な空気が一瞬で別の世界へと導かれるように思えたけれど、そんなことはなく、より悲劇を招くような内容だった。

「吉貴ぁー、慶太ぁーちょっとー。ちょっと来てー。
富山のおじさん来たから、ご挨拶して頂戴。」

どうやらお客さんらしい。親戚のおじさんか何かだろうか。でもヤバイ。ここから立河兄弟がいなくなったら大変なことにならないかな?いや、大変だ。彰人さんと私がここに残るなんていうことがあってはいけない。5分でも1分でも10秒でも一瞬でも、彰人さんと2人きりになんてなったらダメだと思う。

「おじさんか、ちょっと行ってくるわ、彰人オレの部屋で待ってて。おい、行くぞ慶太、かずみもちょっと待っててね、あ、彰人とゲームでもしてたら?」

と、何の事情も知らない吉貴くんの恐ろしい言葉と、

「かずちゃん、ちょっと行ってくるけど…、家に帰ってる?」

と、彰人さんとのことは知らないけど心配性のケイちゃんの言葉と、

「ははっ、慶太余裕なさすぎ。」

と、絶対悪魔としか思えない彰人さんの言葉が3連発花火のようにドドドーンと私の心臓に響く。私は彰人さんだちが来てからまだ一言も口を開いていないし、何か言おうと思っても声を失った人魚姫のごとく声が出ない。

お願い!行かないで!ケイちゃん!吉貴くん!

ここに、ここに悪魔がいるんだよ?

この人ヤバいんだよ?

私この人にヤラレタんだよ?

それなのにこんなこと言ってんだよ?

変態なんだよ?

ねぇっ!本当に超ヤバいんだよ!

私の心の叫びはもちろん誰に届くワケもなく、吉貴くんとケイちゃんは階段を降りていってしまった。ケイちゃんは、彰人さんに「余裕なさすぎ。」と言われてちょっと面白くなさそうな顔をしたけど、さすがに家に帰すまでではないと思ったみたいだった。

そして吉貴くんとケイちゃんの足音が階段から消えてしまった。

私は彰人さんの方を見ることができない。でももうダメだ。彰人さんがゆっくりと近づいてくる。目を見たらお終いだ。でもその距離が怖すぎてつい、彰人さんの方を見てしまう。そして私を見る彰人さんに一瞬にして捕まってしまった。もう目は逸らせない。何かの魔法であることは確かだと思った。

目が合って、たぶん数秒、彰人さんは何も言わずにケイちゃんのベットに座った状態の私の手をとったかと思うと、すごい力でグッと引き寄せて言った。

「ゲームしようか。」

ゲーム!ゲーム!?彰人さんと?ゲーム!

一瞬何を言われているのかわからなかった。空気が恐ろしかったから、何かされるのかもしれないとビクビクしてしまっていた自分自身に気づく。でもよかった、といっても二人きりでゲームも厳しいと思うけど、彰人さんが変なことをしないのなら、二人きりでもなんとか精神はもつだろう。

そんなことを考えて少しほっとしたのも束の間、次の瞬間にはもう私の唇は彰人さんに奪われていた。そして、そのままゆっくりと床の上に押し倒されてしまった。

「んっ…んんっ………!」

どうしよう、ここで悲鳴をあげるわけには絶対にいかない。いや、悲鳴を上げた方がいいのか?だけど、そんなことをしたら、きっと彰人さんは堂々と言うかもしれない。自分のしたことを。昨日のことを。

でも、このまま黙って彰人さんの言いなりになっているわけにもいかない。それに、よく考えたら私は彰人さんには腹を立てているんだった。怒っていることを忘れるなんて私はバカだ。たよりなさすぎて珍しく自分が嫌いになりそうだ。

私は、瞬時にたくさんのことを考えすぎて、他のことに神経が行かなくなってしまい、普通に目を閉じてしまっていた。そのことに気づいて、慌てて何か言おうとするけど、唇が塞がれてるから一苦労。

「ぅん…ん…っ…っあ…きとさんっ、ゲームはっ!」

もっと、言いたいことがあるだろう、私よ、いつからこんなにヘタレてるんだと自分に聞きたくなるような言動。

彰人さんは唇をほんの少しだけ離して、

「こういうゲームだよ?」とささやいた。

そして、また深く落ちていくようなキスをする。

私は気が遠くなりそうなのを我慢するしか脳のない生き物のようになりつつあるけど、それはとても危険だと思う。だって彰人さんは変態だ。変態に好きにさせておくなんてとんでもなく恐ろしいことじゃないか。負けたらダメだ。危険生物にとらわれたらイケナイ。

「ヤダっ…。」

私が逃げるように顔をそらすと、彰人さんはそのまま唇を私の首筋へあてて、ゆっくりと舌を這わせる。

何の意味もない抵抗がバカらしくてもう悲しくなる。そしてここがケイちゃんの部屋であることに胸が痛む。私にはケイちゃんが必要だとさっきここで思ったのは本当なのに。ケイちゃんがいなかったら私にはきっと何もない。ケイちゃんは友達でも彼氏でもある私にとって大切な人なんだ。ケイちゃんにはバレたくない。

「ヤダっ、あ…ぅう…やめて…彰人さん…。」

ぞくぞくしてしまうこの身体が自分の体だと思うと悔しくてたまらない。ケイちゃんを裏切りたいわけじゃない。それなのに、彰人さんを心底嫌いになれない。きっと好きだから、身体がこんなふうに反応してしまうんだ。こんなおかしな人をどうして好きなのかわからないのに気持ちが勝手に彰人さんを捕えることが苦しくて悔しくてやりきれない。

もう、どうすれば…。

首筋を這う舌にまともな思考回路も奪われそうになった時、彰人さんは静かに口を開いた。

「かずみ、慶太と何してた?
慶太に言いにきたのにおまえいるんだもん、ショックだったなぁ…」

「ヤダ!ケイちゃんに言うのはヤダ!」

私は急に現実に戻り、彰人さんを引きはがそうと両手で肩を掴み力いっぱい押しのける。

「言ったでショ。慶太には言うって。
かずみはもうオレのだよって言うつもりだったのになぁ。早く別れてもらわないと困る。」

「なんでっ、彰人さんのものじゃないし!
そっそれに、そんなこと言われても別れない。彰人さんに無理矢理って言うもん。」

「かずみわかってないなぁ。男はね、そう簡単には許せなくて結局別れるんだよ。」

ヘタに距離をとったことで、彰人さんの表情が確認できて恐ろしい。にこやかな笑顔が何かのトラウマになりそうなくらい、恐ろしいセリフを笑顔で言う彰人さんにまた、ゾッとする。

「ヤダ…ヤダよ、そんなの。」

今の私は不安な表情を隠せない。ケイちゃんを失ってしまうかもしれないと考えると怖い。

彰人さんはゆっくり起き上がって私の前に片膝を立てて座った。私も倒されていた体勢から慌てて起き上がり彰人さんの方を向いて座り直す。強い生物に睨まれて動けない状態。彰人さんが美しいヘビで私は無様なカエルだと思った。それからいきなり彰人さんが座って横に投げ出された私の足首を掴んだ。私はビクッとするだけでその手を払いのけることはできない。そして彰人さんはそのままふくらはぎまでゆっくりと撫でながら言う。

「じゃぁ、どうしても慶太に言ってほしくないなら…オレの言う事聞いてね。」

ベタすぎる悪人のセリフだ。こういうことはものすごく悪い人が言うことで、普通の人は言わない。言えない。言えるわけないのに、彰人さんは言うんだ。不細工で女に困っているわけじゃないのに、変過ぎる。私は片足を掴まれているだけなのにもう逃れられないと直感的に思った。

「私はケイちゃんが好きなんだよ?彰人さんヒドイし変だ。」

「違うよ。かずみはオレが好きだよ。」

どうしてそんなことが言えるんだろう。一歩間違えたら頭のおかしい人のようだ。だけど全否定できない自分が悔しい。自分でも知らない心の奥底を見透かされているようで急に恥ずかしくなった。

「ヒドイ。嫌い。」

「ヒドくても何でも、かずみ慶太にバレたくないんでしょ?
言わないでいてあげてもいいよって言ってるオレって優しくない?」

「優しくない。」

「大丈夫、優しくするよ。今日の夜、家を抜け出しておいで。慶太とはそうやって遊んでるんだろ?」

逃げ道がないなら、正面からぶつかっていくしか方法がないと思った。私は小さく「わかった」と返事をし、12時に抜け出す約束をした。極悪人彰人さんは、夜道が危ないからむかえに来ると言っていたけど、一番危ないのはおまえだと言ってやりたかった。その後すぐにケイちゃんと吉貴くんが戻って来て、何事もなかったかのようにくだらない雑談をしていたけれど、私はうつむくことしかできなかった。様子がおかしいとケイちゃんに思われたはずだけど何も言えないまま掴まれていた足に妙な余韻が残るのを感じていた。

そして12時にシンデレラのように窓から抜け出す私を待つのは、暗闇でも綺麗なシルエットの悪魔だった。

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| 【恋愛】B面トライアングル | 00:00 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

かずみちゃんの心理はとってもとっても複雑ですね。
そのかずみちゃんの複雑な心理が、より小説をおもしろくしていますよね。

それにしても彰人さんはヤなヤツです。
蛇のような男です。
男から見ると、こんな男が一番ヤなヤツなんです。
だから余計に面白い。
今後、彰人さんがもっともっと蛇のように執念深く迫って来る事を期待しながら、うひひひひっと続きを待ちます。
頑張って下さい!

| 愚人 | 2011/07/08 14:56 | URI |

>愚人様

◆コメントありがとうございます◆
そう、彰人さんは「ヤなヤツ」なんです。ヤなヤツはなぜそんなにヤなヤツでいられるのか…。それは根がヤなヤツだからなんだと思います。理屈じゃないんですよ、ヤなヤツはヤじゃないヤツにはなれません。(自分のことを言っているようです)

人の心理なんて基本美しくはないと思っている私の描くワールドはヤなヤツと狂ったヤツで構成されます。でもその中だからこその美学があるんですよね。
かずみの登るオトナの階段は過酷です。
次回はまた変態度アップ!HなしのエロスでGO!です。(なんじゃそらw)

| 玉蟲 | 2011/07/09 01:38 | URI |















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